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サッカー界の言語化について

今年から同じクラブで働いている 小澤宏一氏 と 江澤慶氏。二人とも英国でフットボールを学んだ経験があり、話が面白い。最近よく言語化について話をしている。

ここ最近、『5レーン』とか『ハーフスペース』とか普通に使われるようになったが何も最近に出来た戦術ではない。呼び方は指導者によって違うが以前からあった。自分の場合はスペースを番号で分けて呼び、言わば最終地点を何番に進めて行くかの地図としている。

指導者は選手に伝える事が仕事であり言語化はチームの共通認識としては重要だ。Jリーグが発足した当時、ほとんどの外国籍の選手はブラジル人だった事もありポルトガル語がチーム内でサッカーの共通言語だったと思う。

30歳から指導者になり最初に苦労して覚えたのがサッカーの『言語』だった。育成年代の指導を強化するために日本サッカー協会が『言語』を整理していたからだ。『アイコンタクト』『トライアングル』『ダイアゴナル』『マノン』『ターン』などなど。日本サッカー協会が発行している強化指針の最後の方にある用語集を頑張って覚えた。

京都サンガで担当していた中学一年生のジュニアユースの選手は素直に聞き入れ、チームの共通した『言語』となり成果もすぐに表れた。言葉が明確になり選手同士のコーチングが増え積極性が上がったと記憶している。

当時まだまだサッカーの『言語』が浸透していなく、英語のわからないジュニアユースの選手には効果的だったが出張スクールで行った選手には不評だった。

京都府立医科大学サッカー部への出張スクールだった。『ダイアゴナル』と言うと『ディアゴナル』でしょ。『マノン』と言うとフランス語?英語だと『マンオン』だろうと小声でスクール中にツッコミを入れられて恥ずかしい思いをした。

その事をトップチームの監督であり日本サッカーの『言語』を整理したハンス・オフト監督に言うと『お前の発音が悪い、勉強しろ』と言われた。それまで強化部に所属していた事もありオフト監督とは交流があったがコーチングの話はした事がなかった。今となれば勿体ない話だ。

英国でもハッキリとした『言語』は無かったらしく、やはり指導者なりの『言語』を使っていたようだ。スペースという言葉一つをとっても選手によって取り方が違ってくる。

相手背後にある大きなスペースもあれば、味方の手前30センチもスペースである。そのスペースをチームとしてどう『言語化』して共通させるかが指導者としての役割だと思う。

先日、ミーティングで『ダイレクトプレーとは』と質問した時にワンタッチでプレーする事と答えられた。その選手の責任ではなく指導者の問題だ。グローバルな言語を教えなければならい。

 

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