コミコミ価格25万円で買った愛車のMRワゴンが悲鳴をあげている寒い季節だ。
エンジン始動時には多分どこかのベルトが緩んでいるのだろうキィーというけたたましい音が鳴っている。
クラブハウスを出る時にも鳴り響いているので選手たちは心の中で「お疲れ様でした」と心の中で思っているのだろう。
必ずや近いうちに動かなくなると予想しているので休む言い訳を一つ持っているということである。
この時期は来期への更新時期で非常にデリケートシーズンなのだ。
最近は続々と電話やLINEで進退の報告を受ける。
一年は早いものだと思う時期でもある。
新しい選手が加入してフレッシュな気持ちでスタートしたのが昨日のように感じる。
チャンピオンになるのは1チームだけであって、その他のチームは運がなかったのだ。
もちろん、そのチームの目標があるので一概には言えないがチャンピオンではない。
数日前に何新聞か忘れたが「降格なし」は甘えを生んだ? なる記事をYahoo!ニュースで読んだ。
そんな馬鹿げた考えの監督などいないはずである。
我々、勝負の世界に生きる者はジャンケンにも負けたくない程の負けず嫌いなのだ。
たとえ複数年の契約を交わしていても目の前の戦いに甘えなど持っていないと思う。
プロフェッショナルとはそういうもだと思っている。
現にシーズン後は数人の退任があった。
来年、女子サッカーもWEリーグというプロリーグが開幕する。
当然そこでプレーする選手はプロ選手なのだ。
果たして何人の選手がプロ選手としての自覚を持ってプレーするのだろうか。
サッカーを職業にするという事はどういう事なのか。
プロはサッカーだけをやって報酬を貰っている人の事ではない。
金を払ってでもサッカーをやって貰いたい人の事を言うのだ。
そのために24時間を自分でデザインしなくてはならないのだ。
その覚悟がある者だけがプロとして成功していくのだと信じている。
先日、今シーズン限りで引退する 永田亮太 と 清水健太 から電話をもらった。
永田亮太は京都サンガアカデミーからの付き合いだ。
湘南から群馬に移籍して、群馬で契約満了された事を知った。
古い付き合いなので連絡先は知っていた。
すぐに電話を掛けたのだが出てくれない。
昼ごろから数回ほど掛けたのだが一向に繋がらないのだ。
夕方、ようやく折り返しの電話が来たのだが温泉に入っていたらしい。
さすがは草津温泉の群馬である。
獲得の意思を伝えたのだが長野パルセイロとの移籍話が進んでいた。
だが、ひつこく連絡を続け、半ば強引に口説き落とし獲得した事を覚えている。
清水健太は言わずと知れたモンテディオ山形の守護神だった男だ。
移籍して来た2年目のオフシーズンに複数のチームから移籍の打診があった。
強化部の中島健太となんとか残ってもらえるようにと考えていたが、当時の環境面では絶対に獲られると覚悟したものである。
だが、何を血迷ったのか残留をしてくれたのだ。
山形を満了になって一番に声を掛けた事を恩義に感じているのが理由だった。
それを聞いた時に中島健太と固い握手をしたのは今でも鮮明に記憶している。
カマタマーレ讃岐の中では二人とも物静かで寡黙な人間だ。
だが自分の意見を誰にでも遠慮なく言える人間でもあった。
派手なプレーをする選手ではない。
チームの為に堅実なプレーをする職人タイプの選手だ。
当時のカマタマーレ讃岐の戦術にはなくてはならないピースだった。
誘われたチームと比べたら金銭面でも環境面でも劣っていただろう。
だが、漢気だけでチームに残りボロボロになるまで戦ってくれたことを感謝したい。
派手な前線の選手と渋い職人の選手がバランスよくいたから面白いチームだった。
常勝チームではなかったが肝心なところで勝てるチームだったと思う。
ファン・サポーターの記憶に残る試合をたくさんしてくれたと思っている。
プロフェッショナル。
金を払ってでも、やって貰いたい選手達だったと思うのは自分だけでは無いはずだ。
今後は二人とも指導者としての道を歩むそうだ。
指導者は選手とは違うプロ意識が必要になる。
華やかなスポットライトが当たっていたJリーガーから今度は黒子役になるのだ。
そして評価される側から評価する側になる事も忘れてはならない。
だからこそ、これまで以上にサッカーに対しての自分の考えを確立しなければならない。
プロのトップチームは最終学年で結果を出すという学生のアマチュアでは無い。
一年、一年が勝負なのだから、育成チームなどとは言ってられない。
J3に参加していたU-23チームだって活躍すれば、次の日にはトップチームへ格上げするのだ。
そんな覚悟を持ったプロ選手相手のマネージメントは大変ではあるが、一緒に戦っている感があり毎日が刺激的だ。
彼ら二人がプロの指導者としても成功する事を祈りたい。
これから、いわゆるストーブリーグが始まる。
連日、満了や移籍、引退のニュースを目にする事になる。
それがプロと言えばプロなのだが寂しい限りだ。
今年のJリーグはコロナウイルスの影響で大変だったが全カテゴリーで非常に盛り上がった。
チーム関係者だけではなくファン・サポーターも大変だったと思う。
だが、直ぐに新しい戦いが始まるのもサッカーだ。
選手や指導者、クラブスタッフは今いるチーム、新しいチームで準備を始める。
そして、それを受け入れるファン・サポーター。
確実に日本のサッカー文化は発展していると思う。
まだ天皇杯は残っているが皆さん、今年一年お疲れ様でした。
因みにではあるが勝負の世界に生きる自分はジャンケンが強い。
『目覚ましジャンケン』や『サザエさん』に勝つ確率は自慢ではないが非常に高い。
だが、朝の星座占いの結果次第で気持ちが揺らいでしまう程メンタルが弱い。
こちらの方もよろしくお願いします → shop.kitamako.com
写真は琴平のカマタマサポーター・ハタボウさん&カメラマン Taichiくん提供です。
ありがとうございます。
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