Nordgreen公式直販サイト | Bang&Olufsenデザイナーがデザインした美しく
シンプルな北欧の腕時計ブランド
『男らしさ女らしさ』はもう使ってはいけないワードなのか。
ジェンダー問題やSDGsなど聞いた事はあるが詳しいことは分からない。
WEリーグが多様性社会の実現を理念にしているので知らない訳にもいかないので何度か勉強はした。
バリバリのヤンキーだったのにミナミで一旗揚げたニューハーフの友達もいるし、男だけど男にしか興味の無い友達はタクシードライバーで、どっちでも大丈夫そうだと最近カミングアウトした焼き鳥屋の幼なじみ。
こんな多様性の社会など昔からあるわけで今に始まったことではない。
それに昔から何の隔たりもなく彼らとは今も仲の良い友達だ。
世の中には自分とは違う人が居るのは当たり前で、むしろ自分自身が人とは違うと思って生きてきた環境であり、時代だったのかも知れない。
平等の世の中というがスポーツの世界では残酷な事だってある。
普段は一緒に汗を流し、切磋琢磨している仲間が自分のライバルになるのだ。
『ライバルを蹴落としてでもレギュラーを掴め』
励まし合い、助け合ってる仲間同士が試合に出る選手と出ない選手に分かれてしまう。
プライベートで仲が良くてもスポーツを始めれば幼い頃からでも起こり得ることだ。
トレセンに入る、入らないで選手同士どころか親同士が険悪な仲になったという話はよく聞く。
人間誰しもマウントを取りたがる癖があるのだから免疫を付けておかなければ打たれ弱い選手になってしまのだろうか。
たとえ努力が実りレギュラーの座を奪い取って試合に出ていても
『お前の代わりはいくらでもいる』
などとさらに競争を煽るような言動が監督やコーチから選手たちに対して発せられる。
スポーツの世界は実に理不尽だ。
この完全にパワハラな発言は言った方にも跳ね返ってくる。
『お前の代わりはいくらでも』と言いながらも『俺の代わりもいくらでも居る』のだから。
常に危機感を持ちながら自分の居たい場所に居続けるには忍耐しかない。
プロならばより一層の努力と忍耐が必要なのだろう。
だが、人より努力して、人より耐えたからといってプロになれるわけではない。
プロになるには持って生まれた才能も絶対に必要だ。
目に見える所だとスピードやパワーといった身体能力だろうか。
トップレベルの女子選手だと大腿筋と腓腹筋のつき方が男子選手のようなので違いは見てすぐに分かる。
優勝したINAC神戸や浦和レッズ、ベレーザの選手にはこのような『男子のような』筋肉質のカッコイイ脚をしている選手が多い。
『男子のような』筋肉のつき方という言い方はよろしくないらしい。
『男子のような』と言うと男と女を差別しているように聞こえてしまうが差別ではなく比較しているだけなのだ。
仕事柄、選手の脚の筋肉はもちろんだがお尻や背中を見ることは多い。
だが、自チームの選手ならまだしも対戦相手の選手の脚やお尻、背中をジロジロと見るのは良くない。
こちらは純粋にアスリートの身体を見ようと思っても周りはそれをどう捉えるか分からない。
男性指導者だと本当に面倒な事が多い。
WEリーグは何処も素晴らしいスタジアムでの試合なので男性スタッフが着替える部屋があるのだが、なでしこリーグ時代はそうではなかった。
用具室であったりスタジアム外の倉庫であったりとバラエティに富んでいた。
当然シャワーなど無いので大判のウエットシートは必需品だ。
帰りのバスでニオイは許されない。
女性は匂いに敏感なのだ。
素晴らしいスタジアムになっても選手たちのロッカールームには男性スタッフは自由に入る事はない。
試合の時にロッカールームに入るのは3回だけだ。
まずは試合前、ロッカーアウト時間の10分前に全員の前で最後の確認をするのだが、これが男子だと全体ミーティングの前に個別に捕まえて、ボードを使って説明したりコミニュケーションをとる事ができるが女子だと一発勝負になる。
次はハーフタイムの時になるのだが、こちらは要点をまとめるスピードの勝負だ。
正味5分ほどしか無いので伝える事を厳選しなければないので余計な事は言わない。
伝えなければならない事だけを言わなければならないのだ。
最後は試合が終わってからのミーティングの時になる。
こんな感じなので試合の時にスタジアムで選手と顔を合わせる時間はほとんど無い。
逆に言えば僅かしか無い時間をうまく使わなければならないので『伝える』ということに関してはこれまで以上に多くのもを学んだと思っている。
普段の練習時も個別に話す時間が男子選手よりも圧倒的に少ないからこそ『伝える』技術が必要なのだ。
この技術を取得するのに一年以上が掛かってしまったのは大誤算だった。
上手く打ち解けられれば掛け合いだってスムーズだ。
「女みたいな喋り方すんな!」
練習中に投げかけると
「女や!」
間髪入れず返してくれる。