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冒険の終わりに見えたもの 四

人それぞれバックボーンがあり性差もあれば年代、環境などで変わるので同じ話でも受け取り方は違うはずだ。

サッカーだけに例えるならその選手のこれまでの経験が大きく左右される。

人として成熟した選手ならば人の話を聞き入れる事は容易いが、そんな選手ばかりではない。

自分のサッカーを確立している選手ならば自分が納得できる事でないと耳に入らない事だってある。

選手が何を求めているのか、監督が何を求めるのかそんな意思の疎通の取れた関係になるためにも毎日のコミニュケーションは大切なのだ。

言葉は難しい。

サッカーの基本である『止める・蹴る』だが実際の試合ではボールを静止したりしないし、何でもかんでもボールを蹴るのは良くない。

『止める・蹴る』はサッカーでは『運ぶ』ことを意味する言葉なのだと思うが人によって解釈は変わってくる。

察する文化が定着している日本において意見をハッキリと言わず曖昧な表現で察し合うことが普通だ。

つまり相手の気持ちを推測して理解するのだから10人いれば10人が違う伝わり方をしている可能性だってあるはずだ。

チームには30人ほどの選手がいるのだから誤解を招くような曖昧な表現は出来ない。

良いプレーには良い、悪いプレーには悪いとハッキリと伝えなければならない。

そう考えれば外国人監督の通訳の話し方は強い表現というか烈しい表現で通訳をしている。

ここで変に日本語的に訳してしまうと監督の言っている事と違う意味に伝わってしまうのだから仕方がない。

通訳に対して「なんでアイツは偉そうに喋ってるんだ」などと通訳に対して嫌悪感を持つ選手もいるはずだ。

サッカー界の通訳は監督だけではなく選手との人間関係が大変な仕事だと思う。

女子選手は男子選手に比べてプレーの閃きが少ないと感じる。

これは多分アイデア不足が起因しているのではないだろうか。

壱の章で書いたが彼女たちは自分でプレーをするのは好きだが他人のサッカーにはあまり興味のない選手が多い。

※もちろん興味のある選手もいてJリーグや海外リーグの話をする事もあったが男子選手と比べて少なかった。

これまでサッカーを見る回数が少なかったのでプレーのアイデアが湧いて来ないのだと思う。

京都サンガでアカデミーの仕事をしている時の話だ。

チームは年代別のアンダーカテゴリー代表に何人も選ばれていた選手層だった。

彼らが代表に召集された後にチームに帰ってくると素晴らしい閃きのプレーをする事があった。

レベルの高い選手達と練習をする事で経験値が上がりアイデアのあるプレーが出来たのだ。

代表に選ばれていないチームメイトもそのプレーに刺激を受けて経験値が上がる。

その相乗効果でチーム力は上がった。

目で見て、身体で感じるからこそ経験値が上がるのだから日々の練習は感じなければならない。

ドリル形式や個人・グループでアイデアを出さなくてもよい練習ばかりだと閃きのあるプレーは生まれない。

『がんじがらめ』か『過保護』という両極端な指導を受けてきた選手は頑張ることは出来ても自分で考えるプレーは苦手なのだ。

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