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あの時を回顧してみる(破)

クラブユース選手権でカマタマーレ讃岐アンダー18が初めて決勝トーナメントに進出した。

練習場もままならない環境下で素晴らしい成果だ。

アマチュアリーグの時は練習後の選手たちがサッカースクールで子供たちを教えていた。

それがJリーグを目指すことになり下部組織を立ち上げなければならないという事で戦力外になった選手たちがアカデミーコーチとなった。

讃岐のために共に戦った選手たちが指導者になり香川県の子供達を育てている。

本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。

カマタマーレ讃岐を作った趣旨には「香川県の子供達を県外に流出させない」があった。

創設メンバーのうち住谷幸伸氏、山下 憲一氏、熊野實氏の3名は香川県サッカー協会の役員だったのでそのような思いが強かった。

香川県の優秀な中学生が全国の強豪校からスカウトされ県外に進学し、代わりに大阪や兵庫からの中学生が香川西高校に入学していたのだ。

小学生から一貫した指導で「純うどん人」の選手を輩出したいというのが三氏の考えだった。

それまでの中学生と同じく県外へ行った自分としては耳の痛い話であったが三氏の思いを静かに聞いていたのを思い出す。

2017シーズンも最後まで降格争いを戦い19位といういつもと同じ到着地点だった。

確か前年も同じ順位だったと思う。

シーズン前はプレーオフ進出などと威勢の良い言葉を発するのだが、そんなものは嘘に決まっている。

完全に外向けの言葉なのだ。

外向けとはファンやサポーターではない。

支援してくれているスポンサーに対してなのだ。

『今年も頑張って残留を目指します』と本音を言うわけにはいかない。

『今年はプレーオフ圏内に入ります』と言った方がスポンサーをしている企業にとっては都合は良い。

本来なら本当のチーム力を知っているはずの役員がスポンサーに説明してもらいたいところだが順調に昇格してJ2に4年もいると感覚が麻痺してくるのだろうか勘違いをしだす。

J1に昇格するにはどうすれば良いのか、もっと有名な選手を獲得しないのかなど現実離れした妄想話ばかりが湧いてくる。

練習場所が無ければクラブハウスだって無い。

挙げ句の果てには戦い方まで口に出してくる。

「監督、来年は縦ポンをやめようや。面白くないわ。」

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