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Emperor’s Cup

カターレ富山がヴィッセル神戸を破った天皇杯。

富山の人たちは盛り上がったでしょうね。

毎年のように天皇杯はジャイアントキリングが起きるので上位カテゴリーのチームは気が抜けません。

去年はJ2のヴァンフォーレ甲府が優勝して、ACLの出場権を獲りました。

やってる側はシンドイですが、見てる側は本当に楽しいです。

自分も天皇杯でJ1クラブと対戦する時は燃えました。

思い出すのはサガン鳥栖、横浜F・マリノスそして浦和レッズとの対戦です。

いずれもカマタマーレ讃岐がJリーグに参入する前のJFL時代です。

2012年のサガン鳥栖戦はちょうどJFLが佳境でVファーレン長崎との直接対決前という大切な頃でした。

「天皇杯は眼中にありません。リーグ戦に集中したいと思います」

そう新聞やテレビの取材では答えますが、心の中では下剋上を狙わないわけがありません。

まぁ、それが顔や態度に出ていたんでしょうね。

取材してくれている、地元メディアの馴染みの人たちも煽ってくるわけです。

昇格を目指すカマタマーレ讃岐が目標としているJリーグチームと対戦する。

しかも、J1クラブのサガン鳥栖なのですから、皆んな楽しみなのです。

これには前年の天皇杯二回戦、横浜F・マリノス戦を善戦した事がありました。

2011年は四国リーグからJFLに昇格したばかりのシーズンでした。

この試合に関しては『当たって砕けろ』的な気持ちで試合に臨みました。

ただ、ケチョンケチョンやられるとダメージが大きいと思い、守備的な戦い方を選択しました。

この年は昇格を目指し、3-3-3-1システムを採用して攻撃サッカーを掲げていたのですが、さすがにマリノス相手だと無謀すぎます。

アンカーに綱田大志を置いて、4-1-3-2でスタートしました。

狙いは2トップのチェイシングから中盤フラットでインターセプトでした。

中盤フラットには喜山康平、石田英之、鈴木祐輔とボールを刈り取るのが得意な選手を並べました。

今で言うところの外ギリからショートカウンターってとこでしょうか。

これが、どハマりして面白いようにボールを奪って攻撃に繋げたのです。

前半は互角以上の戦いが出来たと思います。

ハーフタイムの三ツ沢はマリノスサポータの大ブーイングに包まれました。

後半、開始早々からマリノスは圧力を掛けてきました。

サイズのある前線に長いボールが多くなってきました。

そうなると深い位置で跳ね返すだけでいっぱい、いっぱいです。

当然、コーナーキックも多くなりますから、ボンバー中澤が上がってくるのです。

GK瀬口拓哉が神セーブを連発して、なんとか耐えていた79分でした。

吉澤佑哉の蹴ったフリーキックのこぼれ球が石田に渡り、相手GKとの一対一をゴールしてしまったのです。

残り10分とアディショナルタイム。

これは・・・。

「ジャイキリ起こせるんちゃう」

もう一人の自分が頭の中で呟きました。

そう思ったのも束の間、ビハインドのマリノスは残り10分に三人を交代してきました。

中村俊輔、大黒将志、キム・クナンという日本代表、そして韓国代表を投入して来たのです。

この三人の年俸の合計はおそらくカマタマーレの年間予算を遥かに超えているでしょう。

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