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冒険の終わりに見えたもの 参

サッカーは映像で見るのと実際の目で見るのでは感覚が違うものだ。

最も見やすいのは全体を見渡せるスタンドからなのだろうがスタンドから見る景色とピッチサイドの景色は全然違うのだ。

スピード感であったりタイミングなどピッチレベルでしか感じれないものがある。

映像で試合分析をしても実際の試合になると異なることは多い。

誰もが納得するような分析をしても選手の技量だったり、対戦相手の技量を把握しておかなければ意味を持たない。

ボード上のマグネットくん達はスピードもタイミングも無く、パススピードすら無いのだ。

本当に上手い選手は視線が違うのでピッチレベルで見ると何処をいつ見ているかが分かるので面白い。

何も分からなかった女子サッカーだったが練習とリーグ戦を重ねて上手い選手は、そこそこ多い事を知るようになった。

住む場所も決まり、軽自動車を買った。

Jクラブと違い、住む場所も車もすべて自分で用意しなければならなかったので極力出費を抑えなければならない。

4LDKのマンションに高級車を与えられていた事など無縁の話だ。

レンタルしたテレビと冷蔵庫、洗濯機だけのアパートには結局、誰ひとり訪れる事もなく2年半を過ごす事になるのだがWi-Fi環境さえあれば快適だった。

車もコロナが蔓延して緊急事態宣言やまん延防止法が施行されていたのでクラブハウスとアパートの往復だけの生活だったのでエアコンの故障以外は軽自動車で問題は無い。

ショッピングセンターやスーパーに行っても自分の事など誰一人と知らないのだから小汚い格好をしてても大丈夫なのだ。

地方のJクラブにいた頃はメディアの露出が大きかったので何処へ行っても街の人気者のように声を掛けてくれていたがここでは無い。

ポスターも有るようだが見た事は数回しかないほど露出が少ないのはJリーグほどホームタウン制が浸透していないからなのかと思う。

それよりも女子サッカー自体が注目されていないのが問題なのだ。

誰でもそうだと思うが自分自身がやっていると皆んなが知っていると勘違いしてしまうが、実際には地元の人たちも女の子のサッカーチームがあるという知識くらいのものだ。

なでしこリーグからWEリーグに変わったが目に見えて変化したものはなく、ギオンスタジアムの雰囲気も変わらずベンチの位置が左右変ったことくらいか。

全試合がDAZN配信となったが観る人は観るだろうが新規のファンは獲得出来たのか。

Jリーグの開幕前に家電量販店に行くとスカパーの時代からこれでもかという位にホームタウンチームのポスターや選手の等身大の置物があったりと露出が多かったのだがWEリーグ開幕の時は大人しかった。

「試合が終わり選手たちがグラウンドを回って手を振るが知り合いを探して手を振っている」というツイートを見た事があるが妙に納得した。

週末に訪れる『お祭り』感が無く、どこか内輪だけで盛り上がっている雰囲気だったのは間違いない。

そもそもホーム、アウェイで年間20試合しかないリーグ戦でホームゲームは10試合しか無いのだ。

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