『サーバが見つかりません』Macの画面を見ながら思った。こちらは『意味わかりません』。初心者でも簡単に始めれると謳っていたWordPressを信用してたのに、素人一人で始めるには敷居が高すぎたか。そもそもサーバって誰やねん。
コンピュータ関連に詳しい友人にお願いしたら遠隔操作で居なくなったサーバをすぐに見つけてくれた。友人は詳しいだけではなくホームページ制作の仕事をする、その道のプロフェッショナルだった事を知り、奴とは必然的な繋がりだったと思った 笑
バルセロナでは 志水コーチ がいつも通訳をしてくれていたわけではない。彼はエスパニョールのUー10の第二監督なので毎度毎度、自分にかまっている時間はない。
スペイン語が分からない自分を彼は心配してくれていたが1日のほとんどは一人で行動していた。ちょうどマドリー・ダービーがあったのでマドリッドまで見に行きたくて『旅のしおり』を作ってもらい、一人で飛行機に乗りマドリッドにも行った。
ついでにイタリアまでセリエAを見に行くと行ったが、それだけはヤメてくれと止められた。
異国の地を一人でウロウロしていた事もあり、地下鉄でスリに合わない乗り方やパンを値切る言い方も覚えた。そしてカンプ・ノウのチケットを安く手に入れる裏技も学び、値段の高いバルサの試合を何試合も見る事ができた。
ある日、志水コーチから「バルサのセグンドが面白いらしいですよ。成績は良くないですけどグラウディオーラが監督です。」との話を聞いた。なるべく多くの試合を見たかった、という理由で別段、グラウディオーラのチームには興味はなかった。
場所はカンプ・ノウの隣、あのバルサのトップチームが練習をしていたミニスタジアムだった。観客席は狭く、観客も数百人だった。
現在のグラウディオーラと同じ、チェスターコートをまといシュッとした、出で立ちは閑散としたスタジアムには違和感だった。
対戦相手は記憶にないが試合はバルサの負け。試合内容はバルサが攻めても最後で奪われ、高速カウンターを食らう展開に終始した。その中で驚いたのがボールホルダへのサポートのポジションの入り方。
ボールホルダーに素早く寄って止まる。ボールが渡ったら違う選手が素早く止まる。一見、ステーションパスに見えるのだがタイミングが合うと流れる様にボールが動く。
ピムさんや中村 順さんが練習でよくやっていた4対4+3のボールポゼッションを試合のピッチの上でやってる様だった。グループでボールをゴール前に運んで行く、ボールが次にどこへ動くのかを分かっている様に選手が動き出す。
ただセグンドの若い選手だったからかミスも多かった。先に動きすぎてタイミングが合わず、ノッキングを起こす事も多かった。それでも自分の見た中では最高に面白いフットボールだった。
トップチームのパスワークとは違うボールポゼッション。のちにトップチームの監督になった時に見せた ティキ・タカ とも違ったと記憶している。言うなればショートパスが縦に流れるように動き、アプローチに来る相手の背後を次々に取っていた。
スペインでのプロ監督達とのディスカッション、グラウディオーラのサッカー。いろいろな繋がりを作ってくれ、引き合わせてくれた 志水コーチ。初対面にも関わらず親身になってアテンドしてくれた事に感謝するしかない。
エスパニョールのバルベルデ監督との話で、最も印象深い話は『監督をしていて一番難しい事は何か』と質問した時に、彼は『マネージメントだ。リザーブ選手をコントロールする事ほど難しい事はない』と答えた。
その簡単ではない事を極めたからこそ、彼は世界のビッグクラブ、FCバルセロナの監督に上り詰めたのだと思う。
このスペインのフットボールに触れた事が指導者としての自分の基礎になっている。帰国後、自分のサッカーへの考えのもと、初めての監督になり『熊本スタイル』に挑戦した。
世間一般がイメージするバルサではない。ピッチを縦切りで考えて、パスで早く前に進むサッカーだ。下からショートパスでビルドアップするのではなく、どの場所から、どの場所でショートパスを使って攻めて行くかだ。
その考え方はカマタマーレ讃岐の時も同じだ。単調な『縦ぽん』と比喩されるが、そんな単純なものでは無い。ただ前にボールを蹴るだけでJ2に5年も居れるほど甘いカテゴリーでは無い。