3節目にしてようやく初勝利できた。ギオンスタジアムで勝つのは去年の5月以来らしく、皆んな喜んでいたが自分にとっては初勝利にホッとしただけである。
次節はアウェイで三重県へバスで移動らしい。どれほどの時間が掛かるのであろうか不安で仕方がないが、郷に入れば郷に従うだけだ。ポジティブに考えよう。
Jリーグもシーズンが始まると2週に一度はアウェイに出掛けなければならない。よく「全国の美味い飯を食べれて良いね」などと言われるがホテルでの食事は、いつも同じで郷土料理などは滅多に出ない。
マネージャーとトレーナーがホテルと打ち合わせをしてメニューを決める。次の日の試合に備えた食事だ。チームの予算によって、質や量は変わるがメニュー自体はどのチームもさほど変わらないと思う。
アウェイゲームだと午前中に練習をして移動する。交通の便によっては午前中に移動して、現地で練習をする事もあるが、勝手の違う練習場は嫌なので極力、練習をしてからの移動をお願いしていた。
夕方にホテルに到着して直ぐに夕食になる。ビュッフェスタイルで各自が好みの料理を取って円卓で食べるのだが、人それぞれ盛り方は違うし食べ方も違う。自分は「選手全員が見える席」に座るようにしていたのでじっくり観察が出来ていた。
普段、ピッチで見る姿ではない、素のままの若者だ。試合前日の夕食は緊張感もなくリラックスした雰囲気で実によく食べている。ここで気を付けなければならないのは自分が食べる量だ。
スポーツ選手が食べる栄養価の高いメニューを一緒になって食べたら駄目だ。監督になって一切、動かない自分は太る一方なのだ。しかしホテルのシェフが作る料理は美味しいので、ついつい手を出してしまう。
そこで考えたのは同じテーブルで食べる若いスタッフとのシェアである。美味しそうな食べ物を全て取って、一口だけ食べて若いスタッフに回すようにした。これだと美味しい料理をいろんな種類を食べられる。回された若いスタッフは泣きながら喜んでいた 笑笑
食事が終わると選手達はマッサージやケアの時間である。自分たちコーチングスタッフは明日の準備が終われば基本的にフリーだ。自分の場合は前日に外に出るとあまり宜しくない結果が多いので、げん担ぎで外出せず、買い物もマネージャーにお願いしていた。
途中就任した某チームに門限はあるのかと聞くと「そんなのは無いです。みんな出掛けたりしませんよ」と教えてくれた。その前に所属していた某チームは門限は23:30でホテルロビーにマネージャーが見張っていたからだ 笑
朝食は取っても取らなくても自由で、昼食からは全員集まって食事する。その後は軽食、ミーティングで出発だ。アウェイは食ってばかりなのだ。食事以外は部屋に籠もってサッカーばかり観ている。そして監督の部屋は無駄に広い。その部屋の4分の1しか使わない事はザラである。
デーゲームの時は試合が終わると直ぐに帰路に向かうのだが、ナイターだと後泊である。勝った試合の後は良いが、負けた試合の後の食事は最悪だ。選手達の切り替えが早すぎる。こっちは負けてイライラしているのに爆笑しながら食事をしているのを見ると、さすがに腹が立つ。
勝った試合の後はスタッフ達と居酒屋に出かける事が多い。その日の試合をパソコンで一通り見てから、トレーナー達の仕事が終わるのを待って出掛ける。ここで初めて、その土地の名物郷土料理を食べられるのである。
勝てばインセンティブが入るので自分だけが財布を持てば良い。
今のチームはインセンティブは無いので先日の初勝利後は「来来亭」の餃子定食で勘弁してもらった 泣