映画『糸』の公開もあり、テレビで 中島みゆき の歌をよく耳にする。今朝のチャンピオンズリーグを観ながら『糸』ではなく、「まわるまわるよ 時代はまわる」という『時代』のフレーズが頭に走る。
十数年前のS級ライセンスのプレゼン講習で、自分が引いたお題は「システムの変遷」だった。フットボールの起源から現代まで、どのようにシステムが変わって来たかをプレゼンした。
100年以上あるフットボールの歴史でシステムは、ルールの改正であり、選手の技術と体力の向上、道具の進化によって変化が持たされて来たのだが、難しい話をするつもりは、まったく無い。
簡単に言うと「その時の」トレンドに対抗する為に、戦い方を変化(進化)させて来たのだ。
世界のサッカーは、この十年だとポゼッションサッカーからリアクションサッカーに変わって来た。ワールドカップの優勝国だと、2010年のスペインは完全なるポゼッションサッカー、2014年ドイツはボールを持てるけどリアクションが得意。2018年フランスは完全なるリアクションサッカーだった。
奇しくも、今朝のチャンピオンズリーグ・ファイナルのカードはドイツのバイエルン・ミュンヘン対フランスのパリ・サンジェルマンの対戦だった。
例えるならドイツの『読売ジャイアンツ』対フランスの『読売ジャイアンツ』という、国を代表とするメガクラブ同士の対戦である。
共に、世界のビッグネームを擁しハイレベルなゲームだったと思う。お互いに、ハイプレスを掛け続けるが、狭いスペースでショートパスを駆使して打開しようとする展開だった。
詳しい内容はプロ、アマ問わず既に、ネットで書かれていると思うので、そちらを参考にして欲しい 笑
2018年のフランスが優勝してから2年が経ち、どう変わって(進化)いるのか。バイエルンもサンジェルマンも守備の組織を高く保ち、なるべく高い位置でボール奪取からのショートカウンターを狙っている。前線の攻撃的な選手も守備のための運動量が多い。
守備をしないと悪評があるネイマールだが、背中でパスコースを切る守備が上手い。攻撃に優れた選手なのだから、予測が長けているのだと思う。バッチーンとボールを奪う派手さは無いが上手い。
そのハイプレスを如何にして掻い潜っていくのかが、焦点だったと思う。バイエルンとサンジェルマンの違いは何処だったのか。チアゴ・アルカンタラとマルキーニョスのタイプの違いにあったと思う。どちらも素晴らしい選手だがチアゴの方がファンタジスタ・タイプに近いように思う。
チアゴを活かす為にバイエルンのビルドアップはGK ノイアー 、CB アラバ と ボアティング(ジューレと負傷交代)からSB デイビス と キミッヒ にサンジェルマンのスリートップの外へパスを供給して、ワイドにポイントを作りに行った。
そして、このパスの精度が素晴らしかった。SBが駆け上がり、攻撃に参加するというのではなく、攻撃の起点となっていた。つまりハイプレスの出口を作り出していたのだ。
スリートップを越える場所にポイントを作られると、サンジェルマンは引かざる得なくなり、チアゴを中心にバイエルンのポゼッション率が高くなった。その結果、バイエルンがビッグイヤーを手に出来たのかは別の話だが・・・。
フランスがチャンピオンになった時、エリア内侵入数も少なく、ポゼッション率も低く、凡庸なサッカーと言われたが、世界のクラブチームが進化に進化を重ね、雑なカウンターでは通用しないプレッシングサッカーを確立して来た。
当初、ハイプレスのリアクションサッカーの台頭で、ファンタジスタ・タイプがピッチを追い出されたが『時代はまわり』この現代サッカーのトレンド、ハイプレスに対抗するのが、ファンタジスタ・タイプの選手を置くシステムになるかも知れない。
あくまで今朝、眠い目を擦りながら思った事であり、サッカーファンとして、ファンタジスタが復活する日が来ることの願望である 笑
因みにであるが、昭和な自分が 中島みゆき と言えば、加藤マサル のお母さんが護送車を追いかけるシーンのバックで流れる『世情』である。